明治20年(1887年)、当店は「酒種あんぱん」で有名な東京銀座木村屋ののれん分けを受け山形県鶴岡市で創業いたしました。 今でこそパンが主食のひとつとなり、いたるところで手に入りますが、当店が創業した当時、パンはまだまだ珍しいものでした。
馴染みのないパンを当時の日本人の口に合うようにと、和菓子にも使われ馴染みがあった「餡」と、日本独自の発酵種「酒種」を使ってしっとり焼き上げた「パン」を組み合わせた銀座木村屋直伝の「酒種あんぱん」は鶴岡でも好評を博しました。
以来、当店は和菓子の技術、洋菓子の技術をそれぞれ積み重ね、時にはあんぱんから受け継いだ和洋折衷の工夫を重ねながら、和菓子やパン・洋菓子はもちろん、和洋折衷の創作菓子まで、さまざまなお菓子を取り揃えております。
当店のこだわりのひとつに130年以上作り続けている「餡」があります。 当店ではお菓子によって使用する「餡」を変えており、常に十数種類の「餡」を製造しています。
「餡」は、主に小豆と砂糖というシンプルな素材で炊き上げます。
そのため、「餡」の良し悪しは、炊き上げる技術はもちろんのこと、小豆の良し悪しによって左右されます。
そこで当店では、特に渋みが少なく風味の良い産地の小豆を選りすぐって使用しています。
さらに特別に産地から直送される粒の揃った小豆を使用しているため、煮えムラが生じず、炊き上げたときにすっきりとした雑味のない餡に仕上がっております。
夏と冬の寒暖の差が激しく自然豊かな山形県にはさくらんぼ、ラフランス、りんご、お米、だだちゃ豆、くるみなどたくさんの特産品があります。 当店は自然豊かな山形県の風土や伝統を活かしたお菓子作りにも励んでいます。
例えば、山形県鶴岡市特産の枝豆「だだちゃ豆」を使用したお菓子「だだちゃ豆右衛門」。 「だだちゃ豆」は山形県鶴岡市の限られた地域でのみ栽培されている特産品の枝豆です。 「だだちゃ豆」の収穫は夏のわずかな期間。 さらに「だだちゃ豆」は足も早いため収穫直後に加工する必要があります。 当店では「だだちゃ豆」本来のうまみを活かすため、収穫直後の枝のついたままの「だだちゃ豆」を農家さんより直接仕入れ、加工してお菓子に使用する「産地ならではのお菓子作り」にも取り組んでおります。
また、鶴岡の史実にちなんだ伝統菓子「きつねめん」をはじめ、山形銘菓「のし梅」、年の瀬の縁起菓子「切山椒」、練切でかたどった色鮮やかな果物や縁起物が特徴の「お雛菓子」など、地域に伝わるお菓子を今に伝え謹製しております。
営業時間:9:00 ~ 17:00
定休日 :不定休